三菱地所グループでは、労働基準法等の労働関連法規順守のみならず、全従業員の安全の確保、健康維持・増進にも取り組んでいます。
三菱地所(株)では、従業員が心身ともに健康で、最大限のパフォーマンスを発揮することが企業活力の源泉との考えから、「健康経営宣言」を制定しています。健康経営計画2030において複数のKPI※を設定し、毎年実績をモニタリングし、継続的に改善に向けた取り組みを実施することとしています。
また、労働安全衛生を含めた労働環境について、労働組合と協議し、従業員にとって快適な環境に向けた改善策・取り組みなどを実施・検討しています。
三菱地所ホーム(株)では、年次安全衛生管理計画の策定時や新規プロジェクトを含む施工現場における危険予知活動時に、労働安全に関するリスクアセスメントを実施しています。作業によって発生するリスクを洗い出し、発生可能性と影響度を分析した上で、施工現場の安全対策に取り組んでいます。
また三菱地所グループでは、サプライヤー行動規範において、「労働安全衛生」に関する項目を定めており、「労働安全衛生関連法の順守」、「職務上の安全」、「労働災害および疾病」、「衛生設備、食事、および住居」、「安全衛生のコミュニケーション」を遵守いただきたい事項として設定しています。サプライヤーにおいても、労働安全衛生が担保された職場環境が重要だと捉えており、ヒアリングシート調査や現地調査などを通じてコミュニケーションを図っています。
三菱地所(株)では、毎月人事部長を委員長とした衛生委員会を開催し、産業医、人事部担当の衛生管理者、労働組合の代表者が出席しています。その中で、労働災害の件数や時間外労働など当社にとってリスクの高い項目を報告しています。
社会や従業員の要請に適切に対応すべく、労働基準に関するカンファレンス、ワークショップなど積極的に参加し、外部の知見を得ることで取り組みを進化させていきます。
従業員の労働災害(休業・死亡など)が発生した場合は、当該従業員に対するヒアリング・調査などにより原因特定を行い、改善策の検討・周知などを通じて再発防止に努めています。
労働災害件数については、ESGデータをご覧ください。
三菱地所グループは、事業展開国ごとに定められている労働時間・残業等に関する法令・条例などを遵守できるよう努めます。また、過度な労働時間を削減するため、さまざまな取り組みを行っています。
例えば、三菱地所(株)では、勤怠管理システムにパソコンのログオン・ログオフの時刻を連携させることで上司は部下の勤務実態を把握するとともに、部下との面談を実施することで業務の量や難易度、健康状態の把握に努めています。管理職にあたる従業員も含め、1カ月あたりの法定時間外労働が80時間を超えた従業員には、産業医との面接を実施するなど、従業員の健康管理に向けた施策に取り組んでいます。
ワークライフバランスの観点では、2016年度より全従業員にフレックス勤務制度を導入したほか、有給休暇取得日数の目標を定め、有給休暇の取得を促す「ポジティブ・オフ運動」を実施。2017年度からは時間単位有給休暇制度・テレワーク制度を導入するとともに、同年に創設した執行役社長直轄の組織「B×S推進委員会」を中心に、健康的で創造的な職場環境づくりにも取り組んでいます。
三菱地所(株)では、従業員の健康維持・増進のため、定期健康診断を年1回、全従業員を対象に実施しています。2016年度からは心電図検査や、35歳以上を対象とした腹部超音波検査の追加など生活習慣病の検査項目をより充実させるとともに、検査結果に応じて二次検診や要注意者検診、産業医との面接の実施などもきめ細かに実施しています。未受診者に対しては、個別に受診案内を通知する等で受診率向上を目指しています。
三菱地所では、管理職になる際、全員が必ずメンタルヘルスに関する研修を受けることとしています。本研修では、管理職として必要なラインケア知識(①未然防止、②メンタル不全者発生時の対応、③職場復帰社員の対応、④職場改善活動について等)を学び、メンタルヘルスに関しての理解を深め、組織内における労働安全衛生の向上を目的としています。
三菱地所では、全従業員を対象に年に1回ストレスチェックを実施しています。人事部が組織全体・部門ごとに結果の分析を実施し、人事部と各部門の管理職との間で結果のフィードバックや、健康問題・労働安全衛生に関して議論を実施しています。
三菱地所(株)では、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に取り組む「健康経営」を推進します。「健康経営」という視点のもと、これまで会社や健康保険組合で行ってきた取り組みや計画を体系化して整理し、トップのコミットメントとさらなる従業員の健康保持・増進を目的として、2016年10月に「健康経営宣言」を制定しました。
三菱地所健康経営宣言
三菱地所は、従業員が心身ともに健康で、最大限のパフォーマンスを発揮することが企業活力の源泉と考えます。
私たちは、これまで取り組んできた従業員の健康保持・増進活動をより前進させ、三菱地所グループの行動憲章に標榜する「活力のある職場」を目指し、会社、健康保険組合、労働組合、従業員とその家族が一体となって、健康づくりを推進していきます。
また、三菱地所グループの基本使命(「私たちはまちづくりを通じて社会に貢献します」)に基づき、まちに住み、働き、憩う方々の健康づくりをも支援していくことで社会に貢献していきます。
人事担当役員を「健康経営推進責任者」に選任し、会社、社員、健康保険組合が一体となって健康経営を推進しております。また、安全衛生に関する取り決めを労働協約の中で交わしており、健康診断や安全に関する教育などを通じて、従業員の健康と安全の確保に努めています。
三菱地所(株)は、長期経営計画2030 ESGの取り組みに加え、2020年度に健康診断結果などの再分析を行ったうえで健康経営2030を策定し、従業員の健康増進達成のために取り組んでいます。
実績値は以下をご覧ください。
KPI | 2025目標 | 2030目標 | |
---|---|---|---|
生活習慣病 | メタボハイリスク層の割合 (※40歳以上) ※定期健康診断において、生活習慣病の判定に影響する項目の何れかが、医療機関受診推奨値を超えた人の割合 |
25.6% | 14.8% (全国平均相当、2019年度割合比で約60%改善) |
健康層の割合 (※40歳以上) ※定期健康診断において、生活習慣病の判定に影響する項目の全てが正常値の範囲内の人の割合 |
20.85% | 32.8% (全国平均相当、2019年度割合比で約370%改善) |
|
悪性新生物(がん) | がん検診の実施率 | がん検診受診率90% (2021~2030年度まで毎年) |
|
メンタルヘルス | 高ストレス者 | 高ストレス者割合10%以下を維持 (全国平均相当:10%) (2021~2030年度まで毎年) |
横にスクロールできます
2017年度よりカフェテリアプラン※1による従業員の健康増進活動(スポーツ活動・保険適用外の検診等)に対する費用補助制度を導入し、従業員の健康増進に向けた施策に取り組んでいます。
さらには、「カラダ改善コンテスト※2」をはじめとした、健康に関する社内運動イベントやセミナーの実施により、従業員の健康意識の向上に努めています。
三菱地所の健康経営戦略マップは、以下をご覧ください。
三菱地所(株)は、健康経営に取り組む優良な法人として、経済産業省と日本健康会議が推進する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人」の認定を受けています。
最新の認定状況は、以下をご覧ください。
昨今の新型コロナウイルスの感染拡大をはじめ、HIV(エイズ)、結核、マラリアなどといった感染症による健康問題は世界的な課題と捉えています。三菱地所グループでは、従業員をこのような健康問題から守るために、海外赴任する駐在員および帯同家族に対して、行政の検疫所が渡航先別に推奨する予防接種を渡航前に受けるよう案内し、現地においては病院の斡旋含む医療相談サービスの提供や、清潔かつ安全なサービスアパートメント・コンドミニアムの確保を行っています。これらの活動を通して、従業員とその家族の健康で安全な海外生活をサポートしています。