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サステナビリティ担当役員・社外取締役メッセージ

サステナビリティ 担当役員メッセージ

 
メッセージ

サステナビリティ担当役員・
社外取締役メッセージ

サステナビリティ
担当役員メッセージ

三菱地所株式会社 執行役専務

四塚 雄太郎

2025年度よりサステナビリティ推進部の担当役員を務めることとなりました。これまで海外事業、開発事業やコーポレート等の幅広い領域で培ってきた経験を活かし、サステナビリティ経営の実現に強い覚悟を持って取り組んでまいります。

当社グループを取り巻く国際情勢、社会環境の変化が激しさを増す中、企業の果たすべき責任は重みを増し、企業活動の透明性への要請も高まりを見せています。そうした社会や事業環境の変化を踏まえ、2024年度、当社グループはサステナビリティの4つの重要テーマとマテリアリティ(重要課題)の改定を行いました。
新たな重要テーマは、事業とサステナビリティの相関を一層高め、事業を通じて時代の要請に応えることで、当社グループと社会、双方の持続可能性を確立することを企図しています。私自身が経営企画部とサステナビリティ推進部を管掌することに体現される通り、社会価値と株主価値の向上、両輪での推進は、当社の事業戦略の根幹です。長期経営計画2030が折り返しを迎えた中、事業とサステナビリティの融合に向け具体アクションを加速させていきます。

当社を取り巻く社会課題群の中でも、将来世代に直接的な影響が出る気候変動対応は喫緊の課題です。当社グループは2050年までのCO2排出のネットゼロ実現に向け、着実に歩みを進めていますが、特に2025年度は再生可能エネルギー導入比率100%達成という、大きなマイルストーンを刻む見込みです。また、こうした当社グループ単体の取り組みと同時に、業界リーディングカンパニーとしての自覚のもと、業界横断的な連携によりサプライチェーン全体での取り組みの前進も図って参ります。

サステナビリティの根源的な目的は、次世代を思いやること、今ある幸福を次世代に引き継ぎ、望まないものは残さないことだと考えます。当社グループは自身の果たすべき責任、役割を的確に捉えるため、顧客・地域社会・投資家・従業員・次世代の若年世代等、ステークホルダーとの対話を積極的に実施しています。対話を通じて得た当社への期待に対し、事業を通じて着実に応えることで、次世代によりよい未来を手渡すと共に、当社グループの企業価値向上を実現して参ります。

  • (2025年8月22日公開)
株式会社ディ・エフ・エフ

社外取締役メッセージ

社外取締役 薗田 綾子

社外取締役メッセージ

社外取締役

薗田 綾子

自社が目指すべき姿を軸に、多様な未来に備える

私は2023年6月に社外取締役に就任し、以後2年間にわたり、取締役会および各種委員会に参加してきました。社内の議論はとてもオープンで、単に会社の現状や事業計画にとどまらず、地域や日本全体、さらにはグローバルな視点から「三菱地所が何をすべきか」「リーディングカンパニーとして社会にどう貢献するか」が話し合われています。少子高齢化や地域創生といった社会的な課題も、経営の中心に据えて真剣に向き合う姿勢に、強く印象づけられました。

特に最近では、国際情勢の不安定化に伴い、気候変動対策やDiversity, Equity, and Inclusion(DE&I)に対するバックラッシュなど、社会的な揺り戻しも見受けられます。そうした一時的な流れに振り回されるのではなく、「自分たちが目指すべき姿」にしっかりと軸足を置いて進もうとしているのは、三菱地所らしい強さだと感じています。

2024年5月に発表した「長期経営計画2030 Review」では、事業とサステナビリティの融合を一層進めるため、ダブルマテリアリティとサステナビリティ重要テーマがアップデートされました。このプロセスでは取締役会でも議論がなされ、私もさまざまな視点から意見を述べてきました。「まち・サービス」「地球環境」「人の尊重」「価値の創造」に関する4つの重要テーマには、現代社会が抱える数々の課題に応えながら、三菱地所が取り組むべき方向性が明確に示されたと実感しています。

これらのテーマに実効性をもって取り組んでいくためには、理想だけでなく、現実的な困難にも目を向けながら多様な未来に備えていく姿勢が欠かせません。社会全体が順調に発展を遂げる中でのまちづくり推進はもちろん大切ですが、むしろ困難な状況下でこそ、三菱地所の持つポテンシャルはより発揮されるでしょう。誰にも未来を予測することはできませんが、さまざまな可能性を想定し、大規模な防災訓練のように対応力を鍛えておくことで、万一の際にも柔軟に乗り越えていく力――レジリエンスを高められるはずです。

まちづくりを通し、地球環境・社会・人の幸せをつなぐ

三菱地所グループは不動産業界の中でも先進的な取り組みを進め、RE100、TCFD、SBTといった国際的な枠組みにも早期から参画し、実績を重ねてきました。RE100については、2025年度に達成する見通しが立っており、気候変動対策への当社の本気度を示すものとなっています。
今年はさらに、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)への対応も本格化しています。これは株主・投資家の関心にも「響く」テーマだと受け止めています。私たちも自然生態系の一部であり、生物多様性や自然資本の価値は直感的に理解されやすく、ステークホルダーとの対話やストーリーの構築に有効です。今後は業界全体やバリューチェーン全体で連携し、「コレクティブアクション」として自然との共生や生物多様性への取り組みを広げていくことに期待します。

「ウェルビーイング」も極めて重要なキーワードです。企業におけるウェルビーイングというと、健康経営や働き方改革などが想起されますが、それだけにとどまるものではありません。
三菱地所グループでも、「人の尊重」に関するマテリアリティの一つに「まちとステークホルダーのウェルネス」を掲げており、それをまちづくりの中でどう具体化していくかが問われています。地域ごとの特性を活かした、その街ならではのウェルビーイングの形もあるはずです。
また、地球と人類の健康・幸福を包括的に捉える「プラネタリーウェルビーイング」の視点は、持続可能な社会を目指していく上で大切な基盤となります。「ここに住みたい」「この街に関わりたい」と思えるような魅力ある街の姿を、未来からのバックキャストで描き、実現を目指すことで、多様で豊かなエリアが次々と育まれていくと信じています。

多様性を力に、社会に新たな価値を生み出す企業へ

多様な人材や価値観を受け入れる組織ほど、イノベーションが生まれやすいことは、多くの現場で実証されています。特にジェンダーについては、女性のキャリア形成だけでなく、男性の働き方にも深く関わる課題であり、社会全体で「ジェンダーは人権の問題である」という認識を共有の上、社会的な規範や意識をどう変えていくかが問われています。

三菱地所は昨年、「女性のエンパワーメント原則」(WEPs)に国内の総合デベロッパーとして初めて署名し、経営トップ自らがジェンダー平等と女性のエンパワーメント推進へのコミットメントを表明しました。社内にとどまらず、まちづくりを通じてバリューチェーン全体を見据え、社会に新たな潮流を生み出してほしいと思います。

私はこれまで、サステナビリティ領域で長くコンサルティングや実務に携わってきましたが、常に意識してきたのは、少し先の未来を読み、様々なステークホルダーの立場で社会からの要請を俯瞰して考える視点です。三菱地所の社外取締役としても、グローバルな環境・社会の変化を先んじて捉え、未来志向での提言を行うことで、三菱地所グループの中長期的な企業価値向上に貢献したいと考えています。

  • (2025年8月22日公開)
株式会社ディ・エフ・エフ