三菱地所(株)は、加速的に変化する社会・経済環境の中で事業を推進するため、ビジネスモデル革新を進めています。2019年10月より、オープンイノベーションの促進や、個人の主体的なキャリア選択の可能性を拡充することを目的とした新たな人事制度を整備しています。
2009年にスタートした新事業提案制度により、広く社員から事業提案やアイデアを募集してきました。これまで130件以上の応募があり、ジムの都度利用サービス「GYYM」や中古オフィス家具の再販事業「エコファニ」など、三菱地所グループの収益多角化や本業強化につながる新しい取り組みが実現しています。
2021年からは、対象をグループ会社にまで拡大し、「MEIC(=Mitsubishi Estate group Innovation Challenge)」としてスタートしています。今後も、グループを跨いだイノベーションの促進を目指し、社員の挑戦を後押しする仕組みの強化を図っていきます。
企業風土の改革と業務プロセスの合理化をトップダウンで強力に推進し、生産性の向上により新たな価値を創造することを目的として、2017年4月1日付で「働き方改革推進委員会」(委員長:執行役社長)を創設。2018年8月には、「B×S(Borderless × Socializing)推進委員会」と改称し、委員会事務局を中心に、全社的な働き方改革・業務効率化に向けた各種活動を展開しています。
毎年、B×S推進事務局にて、業務効率化の状況や働き方、組織風土に関するアンケートを実施し、結果については、全社的にフィードバックされます。アンケートで見えた課題の解決は、翌年以降の事務局を中心とした議論のテーマになります。
さまざまな経験を通じて社員一人ひとりがポテンシャルを最大化し、社員の成長やスキルアップに繋がるチャレンジを後押しすることを目的として、許可制の副業制度※を整備。副業を通じて得られた知見や人脈を本業に還元することはもちろん、自己実現を通じ、従業員がより働きがいをもって本業にあたれる環境づくりを目指しています。
三菱地所(株)の既存事業にはない知見を有する人材を広く登用することを目的として、新事業を中心とした一部事業で、副業・兼業人材の公募による受け入れ※を開始しています。第一弾として、新事業提案制度を通じ2019年4月に立ち上げたメディテーションスタジオ運営事業にて、ブランド戦略・マーケティング戦略の立案を担う人材を、副業・兼業人材から公募、採用※しています。
三菱地所(株)は、「Borderless! × Socializing!」をコンセプトに掲げる本社において、あらゆる境界をなくし、人と人がつながり各々の力を発揮できる空間を実現する、新たな価値創造の場をつくることを想い描き、生産性向上や健康維持・増進などの働き方改革と一体で取り組んでいます。
オフィス環境や制度改革を継続的に進めると同時に、本社内でさまざまな実証実験を行っています。清掃や呈茶等でのロボットの活用や、生体認証セキュリティの実装等、これらの取り組みから得られた成果や知見、ノウハウを、顧客への提案や新たなオフィスビルの企画・まちづくりにも活かしています。
また、サステナブルな社会実現に向け、社内カフェテリアで「食」を通じた社会課題に触れる企画の実施、世界中のサステナブルな商品を体験できる展示コーナーの設置、廃棄物分別強化(15分別)等、本社内でも社員のSDGs啓発と取り組みを進めています。
さらに、グループ全体の効率的で柔軟な働き方の推進、BCP強化、発信・イベント拠点、コミュニケーション深化の観点から、現在グループ会社が利用できる大手町パークビルの三菱地所本社に加えて、丸の内・有楽町においてグループ会社が利用できるサテライトオフィスをオープンしました。グループ内、時には社外の方をも含めた多様な人々が混ざり合い、新しい価値を生み出す場所になることへの期待を込めて、“MIX”と名付け、グループ全体の多様な働き方の実現に取り組んでいます。
グループアドレスを採用
ローテーブル/ハイテーブル、大机/個別机など多様な座席からその日の業務スタイルに合わせて場所を選択できる。同時にペーパーストックレスを実施し、移転前に比べて資料などの収納キャビネットを7割以上削減。
フロア間(縦)の境界をなくす内部階段
ビル共用部を通らず社内各所への行き来が可能になる内部階段を設置。偶発的なコミュニケーション促進と健康増進、機密資料の漏洩リスク低減などを実現。
カフェテリア「SPARKLE」
ワークプレイスとしても活用することで、新たなアイデア、ひらめきの創出を促進。また「食」を通じた発信の場所であり、健康経営、SDGs、プロジェクト紹介等会社として関心を持つべきことを共有するコミュニケーション空間として活用。
3分の1が共用スペース
本社の3分の1を共用スペースとして、偶発的なコミュニケーションを通じたひらめきの創出、モチベーションや生産性向上に寄与。
MIX MARUNOUCHI
イベントスペースとしての利用も可能。
三菱地所プロパティマネジメント(株)は、「第35回日経ニューオフィス賞」(主催:日本経済新聞社、一般社団法人ニューオフィス推進協会)において「ニューオフィス推進賞」を受賞しました。同社の本社オフィスは、丸の内仲通りを挟んだ丸の内二丁目ビルと丸の内仲通りビルの各2階に所在。視覚的・心理的なブラインドを開放する「Open the Blinds」とのコンセプトのもと、2ビルに分散したオフィスを1フロアとして捉え、さらに丸の内仲通りを中庭に見立て、様々な場所で人と人が出会う仕掛けを盛り込み、街と五感でつながる新たな価値を共創するオフィスリニューアルを実施しました。お客さまやパートナー企業を迎える受付エリア・コラボエリアのほか、三菱地所グループ社員が利用できるグループオフィス(MIX丸の内)設置など、様々なコミュニケーションを深める空間を実現しています。
丸の内仲通りを挟んだビルの各2階に所在するオフィス
丸の内二丁目ビル受付
オフィス内
三菱地所ホーム(株)は、2022年6月、本社を国際新赤坂ビルから新宿イーストサイドスクエアに移転するのに併せ、社員が自由にイキイキと働くワークスタイルと環境整備を軸に、お客さまへの提供価値の拡大と社会課題解決の実現に向けたさまざまな機能を実装する未来共創型オフィス「TOKYO BASE」を立ち上げました。
社員がイキイキと働くことができる環境を整備するため、ABW(Activity Based Working)を三菱地所グループとして初めて採用。ABWとは、業務内容に合わせてさまざまなタイプのワークポイント(座席)を自由に選択できる働き方で、全ての社員のパフォーマンスを最大化できるように工夫しています。
また、オープンなカフェ空間や執務エリアに社員が休息するリチャージスペースを設け、当社が中核的な価値を置く国産材をふんだんに活用しています。展示される原木や苗木に触れることで国内林業が抱える課題にも意識を向け、社員の感性を刺激し高めることで、当社の中核的価値である木の可能性や商品価値に触れながら、顧客・取引先と真に価値あるイノベーションの創発や実現につなげていきます。
三菱地所ホーム注文住宅事業で使用する構造材(国産材)を活用したカフェ空間
オフィスをはじめとしたインテリアデザインを行う(株)メック・デザイン・インターナショナル※は、自社オフィスにおいても、価値観の多様化によるライフスタイルや働き方の変化に適応するため、2022年2月に東京都・中央区にある本社オフィスのリニューアルを実施しました。
社内アンケートやワークショップ等を通じて多くの社員の意見や要望を取り入れながら、自分たちの働き方を表現する「ACT MORE, MORE REAL」をグランドコンセプトに策定。運河のそばに続く歩道からインスピレーションを得て、社員が活発に交わる「WALK」ゾーンと、フレキシブルな働き方を実現する「WORK」ゾーンをシームレスにつなぐことで、“暮らし”と“仕事”のバランスを取りながら多様な人財が集まり、その熱量が十分に感じられるオフィスとなりました。
ABW(Activity Based Working)を採用し、多種多様な執務環境を備えるオフィスでは、社員が自分のコンディションに合わせて働く場所を自由に選ぶことで、社員がより自分らしく行動し、活発に刺激し合い、デザイン事務所としての熱量が世の中にリアルに伝わる場を創出しています。また、改修にあたってはSDGsへの貢献を念頭に、建材の廃棄物削減や、余材・リサイクル製品の有効活用に取り組み、家具や什器はトレンドにとらわれず、長期的に使用でき、かつ人の健康に配慮した製品を選定しています。
交流・共有(Work Lounge /Café Counter)
可変性のあるレイアウトで様々な用途で活用できるラウンジは、レセプションからダイレクトに入る位置に配置することにより社内外の様々な交流を促す。
体験・実験/ 試す・組み合わせる(Gallery, Atelier)
空間づくりのマテリアルを組み合わせる様々なシーンを働く空間の中心に設け、各メーカーのサンプル展示やカウンターへの集中作業を兼ね、空間づくりのプロセスがリアルに伝わる・感じられる作業スペースとしている。
学ぶ・集中(Book Library)
アトリエからつながるライブラリーエリアは、国内外のトレンドなど最新情報を読み取り、共有できる場。