三菱地所グループは、長期経営計画2030を実現し、社会に新しい価値を創出する上で、人財※が重要な財産であると考えています。その上で、人や組織の在り方は、当社グループのビジネスモデルの特徴と今後の事業方針をもとに策定しています。
「世界一のデベロッパー」となるために、「Be the Ecosystem Engineers」(立場の異なるあらゆる主体が、経済・環境・社会のすべての面で、持続的に共生関係を構築できる場と仕組みを提供する企業)の実現を目指して「長期経営計画 2030」を策定しています。
当社においては、求める人財像として企業理念から導出される普遍的な5つの要素を高めながら、「長期経営計画 2030」における既存機能の競争力強化・効率化と同時に、更なる成長に向けて既存領域の進化・新規成長領域への進出を実現すべく、高い専門性で新たな価値創造をする役割、協業による強みの掛け算で変革を起こす役割を果たし、一人ひとりの強みを掛け合わせ、価値を最大化する組織づくりができる人財を育成していくことを、人財育成戦略として掲げています。

| 要素 | 定義 | 求める力 |
|---|---|---|
| 『志』ある人 | 成し遂げたい姿や状態を描き、それを実現していく強い意志と行動力を備えた人 | ビジョン構築・浸透力、覚悟・胆力 |
| 『現場力・仕事力』のある人 | 自身の担当領域や不動産全般の「プロ」として知識・スキルを研鑽し、業務を推進できる力を持つ人 | 目利き力、顧客志向、仕事推進力、生産性、リスク対応力、知識・スキル |
| 『誠実・公正』である人 | 高い倫理観を持ち、誠実かつ公正に行動し、周囲と良好な関係を築く姿勢を持つ人 | オープンマインド、倫理観 |
| 『組織』で戦える人 | 組織としての競争力を高めるために人財育成やマネジメントを行う力のある人 | 育成力、チームワーク、マネジメント力 |
| 『変革』を起こす人 | 前例や慣例にとらわれず、失敗を恐れずにチャレンジ精神を持って行動する姿勢を持つ人 | チャレンジ思考・イノベーション |
一人ひとりがその領域のプロとしての自覚とスキルを持つことで、デベロッパーとして信頼される存在になり、関係者をリードします。各領域の専門人財の採用に加え、必要な専門性を獲得・深化できる育成プログラム、資格取得支援制度、グローバル人財育成制度等の取り組みに積極的に投資しています。
OJT(業務を通じた経験・スキル向上の強化)だけではなく、職責に応じた階層別研修や役職向けのプログラム等、各種研修を実施しています。一人当たり年間投資額15.1万円、年間11.9時間をかけ、社員の「稼ぐ力」や「マネジメント力」の獲得をサポートします。
社員の専門性の強化及びスキルアップを支援するため、宅地建物取引士をはじめ、ビル経営管理士、認定ファシリティマネジャー、再開発プランナー、不動産コンサルティングマスター、不動産鑑定士、不動産証券化協会認定マスター等の不動産関連資格取得を支援しているほか、語学力習得サポートのためTOEICの受験費用を補助しています。
社員一人ひとりが学び続けることを目的として、等級ごとに必要な知識・スキル・経験を「習得必修テーマ」として位置付け、研修や外部講座へ派遣しています。また「任意学習テーマ」として能力開発領域(全27テーマ/語学力、ビジネススキル、DX関連、SDGs関連、リベラルアーツ等)の自己研鑽に対して年間30万円の会社負担制度を設けています。
グローバル人財を育成するための施策として、国内外のジョブローテーションを基盤としながら、社内公募にて海外拠点トレーニー制度や海外大学社費留学、外部海外プログラムへの派遣、短期語学留学等の機会を提供しています。
海外大学社費留学卒業式の様子
超長期的視点と時代を先取りするDNAが当社の強みです。社内外のネットワークを活用しながら、「新しい視点からの課題の発見」や「協業による強みの掛け算」を生み出せるよう、ビジネス革新を推進する研修の実施、制度の導入等で挑戦する風土の醸成に努めています。
長期的な視点で社会の変化を先取りする「変革人財」の育成を目的に、1999年度より新事業提案制度を運営しています。2021年度からは対象をグループ社員にまで拡大した「MEIC(Mitsubishi Estate group Innovation Challenge)」が始動。2026年度は、アイディエーションや事業の仮説構築の手法を体系的に学習し、仮説検証を目的に顧客へのデプスインタビューも行うなど、事業開発に必要となるプロセス・ケイパビリティを身に付けられる「MEICインターン」を実施。新事業の創出だけでなく、既存事業の深化にもつなげる取り組みに昇華させています。
DXレディネス研修 最終発表
2026年度より全社的なDX人財育成を開始し、DXをD(デジタル)とX(トランスフォーム)に分解した上で、不動産ビジネスや現行の業務プロセスの精通に加え、データに基づいて問題を発見・課題に落としこみ、その解決に挑戦していく人財(=ビジネスデザイン人財)を社員全員の目指すべき姿とし、トランスフォーム力の育成と強化に取り組んでいます。
更にデジタル専門人財と円滑に協働できるデジタル力を有する人財(=DX人財)の比率を高めることを目指し、デジタル力育成を目的とした研修や指定講座の受講、ITパスポートやG検定の取得を促進しています。
新しい事業やサービスの企画に加え、既存事業の進化や深掘り、業務プロセスの改善等をビジネス革新に通じる取り組みと定め、業務時間の10%をビジネス革新等の時間に充てることを必須化する制度(10%ルール)を導入しており、その内容を社員の評価対象の一部としています。
副業でフォトグラファーをしている社員
ビジネス革新と社員の働きがい向上を目的として副業制度を導入しています。副業で得る様々な経験、知識、人脈による社員自身のスキルアップと自己実現を通じて、本業におけるイノベーションの促進を期待しています。
人財・働き方の多様性の配慮に加え、それぞれの価値観・意見を自由に表明できる環境を整える「オピニオンダイバーシティ」を推進しています。
採用における多様性の確保、多様な人財を活かす組織づくりのためにマネジメント関連の研修の整備にも継続的に取り組んでいます。
三菱地所では2025年度より経営層と社員の接点創出と、ノウハウや人脈の継承による社員の育成を目的として役員主催の研修を新設しています。また当社グループの企業理念やDNAを直接伝える機会として、当社社長からグループ新入社員への合同講話を毎年実施しています。
社長からグループ新入社員への合同講話
タウンホールミーティング

部署長対象研修
社員全員のポテンシャルを最大限活用できる強い組織を目指して、部署長を対象とした人財マネジメントや高等経営の研修プログラムを新設するほか、フィードバックやコーチングを通じた部下育成と組織力向上を目的とした「ユニットリーダー研修」を2025年度から実施しています。
社員の働きがいや職場環境に関する意識を把握することを目的に、定期的にエンゲージメントサーベイを実施しています。他社との比較や部署別の差異を分析するなどの取り組みを通じて、社員のエンゲージメントをより高める施策を展開しています。
従業員ごとのキャリア形成に関する意向等を人事部が直接ヒアリングする機会を設けるため、希望する社員全員に対し人事面談を毎年度実施し、定着率やエンゲージメントの向上に取り組んでいます。
すべての新入社員及びキャリア入社社員に対し、円滑なオンボーディング及び安心して業務に取り組める組織づくりを目的にOJTインストラクター制度を導入しています。
働く場所や勤務時間の柔軟性を高めるために、テレワーク勤務やフレックスタイム制を導入しています。会社提携託児所やベビーシッター費用補助、管理監督者向けの業務量緩和制度等を設けることで、すべての社員が最大限の力を発揮できる環境整備を行っています。

当社は、経済産業省及び日本健康会議が主催する「健康経営優良法人認定制度」において、2025年に引き続き「健康経営優良法人2026(ホワイト500)(大規模法人部門)」に認定されました。
健康経営においてはグループ会社を横断した「カラダ改善コンテスト」といった取り組みに留まらず、丸の内エリア就業者の健康維持・増進に向けた取り組みも行っており、特に健康面談による生活習慣病予防の取り組みや、エリア就業者を巻き込んだ健康イベント開催等の活動が評価され、認定に至りました。なお、当社も含め、グループとして計9社が「健康経営優良法人2026」に認定されました。
丸の内駅伝
丸の内ラジオ体操
三菱地所では、新卒採用、キャリア採用においてジェンダーバランスを意識した採用活動を推進しています。新規採用における女性社員比率を毎年度40%以上とする目標設定をしており、前年度に引き続き2025年度も達成しています。
性別を問わず、社員の多様な働き方のサポート及び育児と仕事を両立しやすい職場環境を整備するため、女性社員が働き続けられる環境づくりの確立のほか、男性の育児休業取得率を高める取り組みをしています。
多種多様な社員全員が能力を最大限発揮し、社会の変化に対する対応力に富む柔軟で強い組織となるために、多岐にわたるDE&I推進活動を実施しています。
これらの活動が評価され、えるぼし(2つ星)、くるみん、PRIDE指標(シルバー認定)を取得しています。
えるぼし
くるみん
PRIDE指標(シルバー認定)
国際女性デーに合わせて実施した社内イベントの様子
2024年1月、女性のエンパワーメント原則(Women’s Empowerment Principles:WEPs)に賛同し、総合デベロッパーとして初めて同原則に基づき行動するためのステートメントに署名しました。WEPsの7原則を支持することにより、社内外へのDE&Iの浸透に取り組みます。
2024年4月、就業規則における配偶者の範囲を事実婚や同性パートナーにも拡大する改正を行い、「忌引き休暇」「結婚休暇」「家族手当」「育児・介護関連等社内制度」を利用できるようにしました。
当社では社員が子育てしやすい環境を整備するためにワーキンググループを立ち上げています。性別問わず参加しており、子育てと事業の連携、男性育児参画推進、育児休業取得中の経験共有等の施策を検討、実施しています。
三菱地所(株)では、MBO(Management By Objectives)と、行動評価の2種類の人事評価を行っています。
MBOは半期に一度実施し、各業務における目標を被考課者及び1次考課者内で予め設定し、実際の達成度合いに対する評価付けを行っています。
行動評価は年に一度行い、当社が人財に求める5つの要素(「『志』ある人」「『現場力・仕事力』のある人」「『誠実・公正』である人」「『組織』で戦える人」「『変革』を起こす人」)について、等級毎に求める要素を定義し、充足度合を評価しています。
MBOと行動評価において、被考課者、1次考課者および2次考課者が評点付けした上で、賞与考課・昇給考課に連動させています。
また、評価結果については、半期ごとに実施されるフィードバック面談の中で、今後の期待とともに考課者から通知するプロセスとなっています。
採用チャネル毎の応募者数や採用ホームページのページ閲覧数等を算出し、より効率的に候補者へ情報を発信できるよう工夫しながら採用活動を進めています。
当社において必要なスキルや経験を有した候補者にアプローチできるチャネルを検討の上、採用活動を行っています。
候補者が本選考エントリー時に受験する適性検査結果を分析し、次年度以降の採用活動に活用しています。
従業員のエンゲージメント、働きがいや部署の風通し、業務効率化の状況等について、各種従業員アンケートを実施しています。
アンケート回答結果に基づき、部署や支店ごとあるいは職掌・等級別の特徴的な傾向等を分析することで、組織・風土改善に向けた取り組みを実施しています。
各部署の業務内容・業務特性・計画、および全社的な経営戦略を踏まえて、必要な人員数・スキル等に適う人員配置計画を策定しています。
また、従業員情報(配属履歴・経験・キャリア志向等)を人事システムや定期的な人事面談を通じて集約・活用することで、多様性のある従業員個々人の活躍を促進するよう努めています。