このページの本文へ

Sustainability Activities (ESG) サステナビリティ活動(ESG)

TCFD提言に基づく情報開示

★TCFD提言に基づく情報開示

 
環境(E)

TCFD提言に基づく情報開示

TCFD - TASK FORCE ON CLIMATE-RELATED FINANCIAL DISCLOSURES

三菱地所(株)は、2020年2月3日にTCFD提言への賛同を表明、同年5月にはTCFDが提言する情報開示フレームワーク(気候変動のリスク・機会に関するガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿った開示を行いました。
開示内容の拡充を図るため、2023年5月には、これまでの、パリ協定が求める水準である産業革命前からの気温上昇が2°C以下を含めた2つのシナリオ分析に加え、移行リスク(低炭素経済へ移行する過程で生じるリスク)を評価するCRREM(Carbon Risk Real Estate Monitor)を取り入れ、気候変動による三菱地所グループ主要事業への将来的な影響分析を開始しました。
今後も内容の深化をすすめるとともに、気候変動に関するガバナンスや事業戦略の強化を目指します。

  • Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略称。G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するため設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース」。TCFDは2017年6月に最終報告書を公表し、企業等に対して気候変動関連リスクおよび機会に関する項目について開示することを推奨している。

TCFD提言に基づく情報開示(PDF 1.4MB)PDF

TCFD提言に基づく情報開示を行う上で、以下のシナリオやツールを主に参照しています。

  • RCP 8.5:各国の洪水被害額
  • IEA STEPS
  • IEA SDS
  • IEA 2DS
  • CRREM

気候変動リスクアセスメント

リスク 重要性とリスクアセスメントの項目に含まれるか 詳細
現在の規制リスク 関連あり、常に含まれる 【リスクについて】
東京キャップ&トレード制度:東京都が実施する日本における最初の強制的排出量取引制度であり、大企業に適用される。対象企業は5年間で平均8基準年に対し15%を超えるのCO2削減を要求されており、達成できない場合はカーボンクレジットの購入が義務付けられている。非準拠企業は開示されることや関連行政処置費用の負担に加えて罰金が科されるため、レピュテーション面や財務面において重要なリスクと捉えている。

【リスクアセスメントについて】
各事業グループ・グループ各社にてリスク分析の上、重点的なリスク(個別重点リスク)を選定、対応する活動を毎年実施している。また、ラインスタッフ部署はそれぞれの事業グループが所管するグループ各社のリスクマネジメントの推進状況を把握し、連携・支援をしている。そこで選定した個別重点リスクについて、社長を委員長とするサステナビリティ委員会及びリスク・コンプライアンス委員会の下で、当社グループ全体のリスクを的確に把握し、重点的に対策を講じる必要があるリスクを抽出・マッピングすることで注力すべきリスクとそのプライオリティを可視化している。現在の規制リスク(東京キャップ&トレード制度)についても重点リスクとして担当部署と協力して常にモニタリングしながらリスク評価・管理・対策している。
また、排出削減にあたっては、SBTやRE100の目標に則して、早期の排出削減・再エネ導入を画策している。具体的には、事業部の検討促進及び適切な進捗管理を目的として、2020年度より年次計画に気候変動関連に対する取り組み目標とアクションプランを記載する運用としており、半期に一度サステナビリティ委員会にてモニタリングを行う運用としている。
新たな規制リスク 関連あり、常に含まれる 【リスクについて】
当社の事業範囲において、パリ協定の達成などに向けて新たな排出量規制が施行された場合に新たな省エネ設備の導入やエネルギー源の切り替えなど、追加的な対応及びコストが生じる可能性があるため、中長期的な財務リスクと捉えている。特に、2℃以下シナリオでの影響が大きいと捉えており。追加排出権購入に加えて、炭素集約度の高い建材のコスト上昇による、間接的な建築費上昇も将来的なリスクになり得ると捉えている。

【リスクアセスメントについて】
社長を委員長とするサステナビリティ委員会及びリスク・コンプライアンス委員会の下で、担当部署と協力して社会に制度上での大きな動きが見込まれるような時に、都度モニタリングしながらリスク評価・管理・対策している。例えば、既に対象となっている東京都環境確保条例において、2020年-2024年の5か年で第三計画期間が開始される予定であり、当社でも東京都内に有するビルが削減義務を負い、達成できない場合には追加コストが発生する可能性があるため、同委員会及び担当部署でリスクの特定及び評価・管理を実施している。また、排出規制の導入に対応すべく、SBTやRE100の目標に則して、早期の排出削減・再エネ導入を画策している。具体的には、事業部の検討促進及び適切な進捗管理を目的として、2020年度より年次計画に気候変動関連に対する取り組み目標とアクションプランを記載する運用としており、半期に一度サステナビリティ委員会にてモニタリングを行う運用としている。
テクノロジーリスク 関連あり、常に含まれる 【リスクについて】
当社の保有するビルにおける設備に関して、当社が技術開発を行うことはないが、設備のエネルギー効率向上や低炭素技術の普及が進まない場合、当社の中長期目標や排出規制対応が達成できない可能性があり、その場合費用対効果の悪い高効率省エネ機器の追加的導入などに追加コストが生じる可能性があるため、中長期的な財務リスクと捉えている。

【リスクアセスメントについて】
社長を委員長とするサステナビリティ委員会及びリスク・コンプライアンス委員会の下で、担当部署と協力して都度モニタリングしながらリスクを評価・管理している。例えば、その結果、テクノロジーリスク/機会への対応として、新エネルギーの研究開発に取り組む企業である「クリーンプラネット社」への出資などを実施し、将来的には当社施設での利用も視野に入れて、他社との協働を行っている。2020年1月に公表した2030年をターゲットとする長期経営計画においては、今後本目標に則して新事業を展開し、テクノロジーリスクに対応する効率的・効果的な不動産開発・運営管理を目指していく。
法的リスク 関連あり、常に含まれる 【リスクについて】
日本政府による、パリ協定の約束草案でのGHG総排出削減目標に対して政策手段が確定すると同時に、業界団体も自主的にではあるが独自の総量での削減目標を掲げることで、業界内でも所有するビルが多く排出量も多い当社への総量削減に向けたプレッシャーが高まり、したがって追加的なコストを強いられるリスクがあるため、財務的にも重要なリスクと捉えている。法的リスクは、特に2℃以下シナリオで高まると想定している。

【リスクアセスメントについて】
社長を委員長とするサステナビリティ委員会及びリスク・コンプライアンス委員会の下で、担当部署と協力して日本政府や世界の動きを常にモニタリングしながらリスク評価・管理・対策している。また、排出規制の導入に対応すべく、SBTやRE100の目標に則して、早期の排出削減・再エネ導入を画策している。具体的には、事業部の検討促進及び適切な進捗管理を目的として、2020年度より年次計画に気候変動関連に対する取り組み目標とアクションプランを記載する運用としており、半期に一度サステナビリティ委員会にてモニタリングを行う運用としている。
市場リスク 関連あり、常に含まれる 【リスクについて】
消費者(テナント入居者)の指向がより低炭素ビルや省エネビルに向かう一方で、当社が消費者の望むビルを提供できないことにより、入居率が下がり売上の低下や消費者からの企業評価の低下につながるため、財務的にも重要なリスクと捉えている。今後、当社グループは、SBTやRE100に基づき、取り組みを推進していく方針であるが、仮に2℃以下シナリオ下で対策が進捗しない場合は、特に空室率上昇・賃料低下リスクが大きくなると捉えている。

【リスクアセスメントについて】
社長を委員長とするサステナビリティ委員会及びリスク・コンプライアンス委員会の下で、担当部署と協力して、消費者の需要の変化やそれに伴う業績への影響を常にモニタリングしながらリスク評価・管理・対策している。 また、リスクへの対応として、SBTやRE100に基づき取り組みを推進していく所存であり、特に建築物のCO2フリー化(再エネ導入・ZEBの建設等)が重要点に取り組むべき事項と考えている。
評判リスク 関連あり、常に含まれる 【リスクについて】
投資家からのESG関連情報の開示や対応が求められる中、脱炭素社会への移行に対応できていないと投資家からの信頼を喪失する可能性があり、株価への直接的な影響につながるため、財務的にも重要なリスクと捉えている。また、脱炭素社会への移行に伴い、環境性能が低い建築物への批判リスクが発生する可能性もあり、その場合は、事業への影響(賃料低下、リーシング期間の長期化等)や企業価値への影響が想定される。

【リスクアセスメントについて】
社長を委員長とするサステナビリティ委員会及びリスク・コンプライアンス委員会の下で、担当部署と協力して外部ESG評価の企業価値への影響などを常にモニタリングしながらリスク評価・管理・対策している。 また、リスクへの対応として、SBTやRE100に基づき取り組みを推進していく所存であり、特に建築物のCO2フリー化(再エネ導入・ZEBの建設等)が重要点に取り組むべき事項と考えている。これらの取り組みを情報公開し、ステークホルダーへの適切に開示、対話の積み重ねも重要と考えている。
急性物理的リスク 関連あり、常に含まれる 【リスクについて】
気候変動に起因する異常気象による洪水の発生回数が増加することによって当社の保有するビルが運営停止し、利益の損失につながる可能性があるため、財務的にも重要なリスクと捉えている。一方で、当社は、建物のハード面で厳しい基準を設けた開発を実施し、かつソフト面でもまちを挙げた防災対策を行うなど、他社と比較して高いレベルでの対策を行っていると自負しており、仮に洪水被害が発生した場合でも、リスクを極小化できるものと捉えている。

【リスクアセスメントについて】
社長を委員長とするサステナビリティ委員会及びリスク・コンプライアンス委員会の下で、担当部署と協力して、地理的要因に伴う異常気象への暴露リスクなどをリスク評価・管理・対策している。リスク対策の具体例として、防潮板の設置や、防災センター等の地上階設置を行っている。
慢性物理的リスク 関連あり、常に含まれる 【リスクについて】
気温上昇により、当社の保有するビルにおいてエアコンシステムの運用方法変更や改修が必要となる。また、ビル内環境の快適性を維持するため、エアコンシステムのような設備のみならず、ビル全体の構造を気候変動に適合させる設計が必要となる。一方、当社ビルにおいては既に取り組みが一定程度進んでおり、追加コスト負担は少ないと想定しており、財務上の影響は僅少であると評価している。

【リスクアセスメントについて】
社長を委員長とするサステナビリティ委員会及びリスク・コンプライアンス委員会の下で、中長期的なシナリオ分析を実施するなど当社事業への影響をリスク評価・管理・対策している。
 

目次へ戻る

株式会社ディ・エフ・エフ