三菱地所グループでは、4つの重要テーマについて、事業活動を通じた社会価値の創出と、そのプロセスをより明確にするため、ロジックモデルを策定しました。各テーマにおける事業活動からアウトプット、アウトカム、インパクトに至るつながりを可視化し、指標・KPIの進捗を管理しています。
今後は、ステークホルダーとの対話を重ねながら、アウトカム・インパクトKPIの整備や指標の分析を進め、社会価値向上戦略の実効性を高めるとともに、持続的な企業価値向上につなげていきます。
三菱地所グループは、2020年に策定した「長期経営計画2030」のもと、社会価値向上戦略と株主価値向上戦略を両輪とする経営を推進し、社会と当社の持続的な成長を目指してきました。
一方で、社会価値向上戦略については、事業とのつながりや企業価値との関係が十分に整理されておらず、社内への浸透にも課題がありました。こうした課題を踏まえ、2024年度にはダブルマテリアリティの観点からマテリアリティを見直し、サステナビリティ重要テーマを改定し、当社グループのコアビジネスであるまちづくりそのものが社会価値創出のアクションであることを明確化しました。
更に2025年度には、事業と社会価値向上戦略とのつながりをより具体化し、両輪の経営戦略を一層深化させるため、ロジックモデルを活用し事業が創出する社会価値と、その価値創出プロセスの可視化に取り組みました。
10の事業・機能グループそれぞれが、4つのサステナビリティ重要テーマのうち関連性が高いテーマについてロジックモデルを策定し、計29種類のロジックモデルを構築しました。
各事業・機能グループの取り組みや施策を、「インプット」「活動」「アウトプット」「アウトカム」「インパクト」の5つの要素に整理することで、事業がどのように社会価値の創出につながるのかを体系的に可視化しました。また、ロジックモデルの策定と併せて、各事業・機能グループが特定したインパクトの進捗を測定・可視化するための指標やKPIの整理にも取り組みました。2026年度からはそれぞれが特定したインパクトを社会価値向上戦略における中長期目標として位置付け、年次計画の中で指標・KPIの進捗を管理することで、両輪の経営戦略推進へのコミットメントを更に高めていきます。
なお、対外開示にあたっては、事業・機能グループごとのロジックモデルを統合し、ボトムアップで全社版ロジックモデルを策定しました。事業ごとの特性を踏まえながら、グループ全体に共通する価値創出の構造を示すとともに、社会価値と株主価値が事業を通じて好循環を形成していることを可視化しました。
ロジックモデルにおけるアウトカムの進捗を、下記①~④の指標によりモニタリングしています。
| ①エリア全体のレジリエンス向上 | ②圧倒的な企業集積・テナントミックスの実現 | ③テナント企業、就業者、来街者の満足度向上 | ④多様なアセットタイプ・エリアでのソフト・ハード両面におけるまちのバリューアップ | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 |
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- |
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- |
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非開示 |
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非開示 |
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- |
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- |
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非開示 |
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非開示 |
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- |
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- |
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非開示 |
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- |
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- |
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- |
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10兆円 |
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ロジックモデルにおけるアウトカムの進捗を、下記①~④の指標によりモニタリングしています。
| ①ポートフォリオの環境性能向上・負荷低減(オペレーティングカーボン) | ②建物開発・解体による環境負荷の低減 | ③建築物への木材利用を通じた炭素吸収・固定 | ④地域の自然環境の保全・改善 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 |
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当社保有ビルは100% |
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100% |
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100% |
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- |
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排出量20%削減(2019年度比)、再利用率100% |
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2件/年 |
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0種類 (未対応種) |
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2030年度までに100%達成 |
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100% |
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100% | ||
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100% |
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非開示 | ||||
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ロジックモデルにおけるアウトカムの進捗を、下記①~④の指標によりモニタリングしています。
| ①ウェルネスの改善を通じた暮らしやすさ・働きやすさの向上 | ②責任ある持続可能なサプライチェーンへの貢献 | ③当社社員の健康・働きがいの増進 | ④良好な職場環境・人間関係の形成 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 |
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- |
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100% |
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前年実績水準 |
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各拠点年1回以上 |
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- |
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年1回 10現場以上 (施工現場5回、清掃現場5回) |
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20%超 |
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全業界平均スコア以上 |
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- |
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2.7% |
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100%以上 | ||
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- |
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健康診断100% がん検診90% |
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90%以上 | ||
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ロジックモデルにおけるアウトカムの進捗を、下記①~④の指標によりモニタリングしています。
| ①事業創発エコシステムの確立 | ②新たな技術やサービスの社会実装 | ③AI・デジタル活用による 生産性・生活利便性・安全性向上 | ④時代に合った豊かさや便利さへの対応 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 | 指標 | 2030目標 |
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3件/年 |
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毎年1件※1 |
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非開示 |
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- |
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- |
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90,000戸 |
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非開示 |
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5,500室 |
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- | ||||||
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非開示 | ||||||
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ロジックモデルの策定を通じて、事業がどのように社会価値を創出しているのかを一連のストーリーとして可視化することができました。また、マテリアリティを起点とした社会課題の解決に対し、各事業が多面的に貢献していることを改めて認識するとともに、グループ内で共有認識を深める機会にもなりました。
一方で、インパクトの進捗を適切に評価する指標の整備には課題も残されています。特に、当社グループのまちづくりを体現する重要テーマ「まち・サービス」については、多様な価値創出効果を客観的に示し、社内外のステークホルダーにとって納得感のある指標として整理していく必要があることを認識しました。
今回のロジックモデル策定は、社会価値と株主価値を一体的に捉える経営への第一歩です。今後は、ステークホルダーとの対話を重ねながら、アウトカム・インパクトKPIの整備や横断的な分析を進め、価値創出プロセスの更なる高度化に取り組んでいきます。こうした取り組みを通じて、社会価値向上戦略の実効性を高めるとともに、持続的な企業価値向上につなげていきます。

中村 将人
GLIN Impact Capital株式会社
代表パートナー
様々な事業を展開する三菱地所グループが、ロジックモデルを策定し、具体的なアクションやKPIまで落とし込んだ上で対外公表された点に強い敬意を表します。マテリアリティや価値創造モデルの開示は一般化しつつある一方、事業レベルに紐付くロジックモデルまで展開する事例は国内外でも稀であり、先進的な取り組みといえます。特に各事業・テーマごとのモデルを統合し全社版へ昇華している点は、サステナビリティ経営を実務に接続する上で大きな意義があります。事業活動と社会価値の因果関係が整理され、経営の羅針盤として機能し得る点も高く評価されます。今後は社会課題の構造理解を深め、自社の強み起点の戦略を明確化することで、経営との連動強化を期待しています。

田瀬 和夫
SDGパートナーズ有限会社
代表取締役 CEO
今般定められたロジックモデルは、何をするのか、どう変化するのか、何を実現したいのかまで、精緻かつ想像力をもって構築された点を高く評価します。例えば、住宅事業における多様性やウェルネス、持続可能なサプライチェーン実現への視点は印象的であり、時間軸や因果関係も十分に深掘りされています。丸の内エリアの開発や新事業創出、地球環境分野についても、明確な論理と高い視座が感じられます。今後は、インパクトを「規範や価値の社会への統合」へと昇華していくことが期待されます。種をまくことが「農耕」という文明の基盤を生んだように、三菱地所グループの事業も社会をより良い方向へ導く力を持っています。更に社員一人ひとりの行動へ浸透していく未来を期待します。

水口 剛
高崎経済大学
学長
事業活動全体を社会価値創造の視点から捉え直すことは、自社の存在意義を改めて確認する上で重要な意味を持つと考えます。あらゆる経済価値の背後には社会価値があり、それをいかに経済価値へ転換するかがビジネスの本質ともいえるでしょう。その意識を共有するため、今回、事業グループごとに社会価値創造のロジックモデル作成へ取り組まれた点に敬意を表します。その上で、ぜひ貴社の力を日本のより大きな社会課題解決にも活かしていただきたいと思います。特に地方都市では、人口流出による賑わい喪失が更なる人口流出を招く悪循環が深刻化しています。解決が難しい課題だからこそ、まちづくりのプロとしての貴社の挑戦と実践に大いに期待しています。

薗田 綾子
株式会社クレアン 代表取締役会長当社 社外取締役
公益財団法人みらいRITA 代表理事
今回、各事業部門を巻き込み、インプットからインパクトまでの因果関係を整理したロジックモデルを構築された点は、大変意義深い成果です。今後は、事業戦略と連動させ、現場の行動へ落とし込めば、マテリアリティの実践にもなります。また、中長期目標やKPIを設定し継続的に評価することで客観性が高まりますが、その際は部門横断的な対話がカギとなります。さらに、非財務指標を「未来財務指標」と位置付け、社会価値と企業価値のつながりをストーリーとして示しながら、価値創造ロードマップを明確化していくことも期待します。加えて、シナリオ分析により不確実なリスクにも対応することで、「まちづくり」による価値創出が企業価値向上とステークホルダーとの信頼強化につながることを期待します。
岩永 泰典
アムンディ・ジャパン株式会社
マネージング・ディレクター
チーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサー
全体として構造や考え方は整理されていますが、読み手の理解を更に深める余地があると感じました。特に、多様なステークホルダーの中で、まちづくりの最終的な受益者を具体化することで、ロジックがより明確になり、社内でも自分事化しやすくなると思います。また、「6つの資本」などの汎用表現だけでなく、現場人材や具体的リソースなど自社ならではの強みを示すことで、無形資産との関係性や価値創出プロセスの一貫性がより自然に伝わります。社会価値と財務の関係も、「なぜ」「どのように」を丁寧に示しながら対話を重ねることが重要だと感じました。今後、こうした視点の整理と発信を継続することで、価値創出の考え方が立体的かつ説得力を持って伝わることも期待しています。