三菱地所の丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)を中心としたスタートアップ支援、インキュベーションの取り組みのスタートは2000年のベンチャー支援組織立ち上げにさかのぼり、その歴史は四半世紀に及びます。その間、三菱地所は時代の潮流を機敏に捉え、国内では先駆的な取り組みであった2007年のアーリーステージ向けインキュベーションオフィス、「EGG JAPAN(現EGG)」の開設から、国内初のFinTech拠点「FINOLAB」、Deeptech領域にフォーカスした「Inspired.Lab」等、計7つの施設とコミュニティの運営に携わるほか、2024年秋には国内初の気候テック領域特化型のインキュベーション拠点開設を予定しています。また、東京大学、東京医科歯科大学ほか一橋大学とのアカデミア連携を進めており、丸の内エリアを中心とした産官民学連携によるインキュベーションエコシステム構築により、社会に向けた新たな価値の創出を後押ししていきます。
三菱地所のスタートアップ・エコシステム
三菱地所は2001年に日本初のREIT(不動産投資信託)を東京証券取引所に上場して以降、金融と不動産の融合による新たな市場、投資機会の創出をリードしてきました。特に戦略的なM&Aの実績等により構築したグローバルな投資プラットフォームMitsubishi Estate Global Partners(MEGP)を通じたグローバルな不動産ポートフォリオ運用は国内不動産会社として例がなく、AuMは5.7兆円※に至っています。当社グループは今後もMEGPのポートフォリオ拡大を通じ、世界各国の投資家の長期安定的な運用ニーズに応えるとともに、当社グループの責任ある運用方針により、グローバルな不動産環境性能の底上げや、持続可能な不動産資産の地域社会への提供に寄与していきます。
三菱地所では、変化を自ら生み出し、次の時代の豊かさにつながる価値創造を実現するためのビジネスモデルの革新、“ビジネストランスフォーメーション”を目指し、当社が培ってきた事業アセット・ケイパビリティ・ノウハウを活かした新事業創出やオープンイノベーションの推進を行っています。2022年4月より運営開始した、“成長産業の共創”を目指すコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「BRICKS FUND TOKYO」では、「Co-Creating Impact. 変革を支え、未来の礎を共に築く。」をコンセプトに、3つの投資テーマ「新たなライフスタイル」「既存産業のパラダイムシフト」「サステナビリティ」と12の注目領域を設定し、有望なインパクト領域への投資を加速しています。出資先に対しては、当社グループの経営基盤を活かした経営支援、丸の内エリア等における実証実験の実施、事業共創・協業の推進といった社会実装支援を通じ、中長期的な企業価値向上に貢献し、成長企業の創出を目指します。なお、国内外のスタートアップやベンチャーキャピタルへの投資総額は、2020年代半ばまでに累計500億円(コミットメント分含む)となる見込みです。社会課題の解決や産業構造の転換など、中長期的な社会インパクトの創出に挑むスタートアップへの投資及び事業支援とともにオープンイノベーションを進め、次の時代の豊かさにつながる価値創造を図っていきます。
また、多様なパートナーとのオープンイノベーションを通じ、エレベーター広告事業や5Gインフラシェア事業など、当社コア競争力を背景にした新しい事業を創出しているほか、当社及びグループ会社の社員を対象にした新事業提案制度「MEIC(Mitsubishi Estate group Innovation Challenge)」を運営し、グループの収益多角化・本業強化に繋がる新事業創出・グループを跨いだイノベーションの促進を目標に、社員の挑戦を後押ししており、リユース家具再販事業「エコファニ」、フィットネス施設への送客支援サービス「GYYM」などが同制度から誕生しています。
「BRICKS FUND TOKYO」活動実績(2022年4月~2024年4月)
オープンイノベーションやMEICによる新事業創出の事例