三菱地所の丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)を中心としたスタートアップ支援、イノベーションの取り組みのスタートは、2000年のベンチャー支援組織立ち上げにさかのぼります。時代の潮流を機敏に捉え、国内では先駆的な取り組みであった2007年のスタートアップ向けインキュベーションオフィス「EGG JAPAN(現EGG)」の開設から、国内初のFinTech拠点「FINOLAB」、先端テクノロジーと大企業の新事業・研究開発を担うチーム・人材が集まる「Inspired.Lab」等、計7つの施設とコミュニティの運営のほか、2024年10月には国内初の気候テックに焦点を当てた「0 Club」を開設しました。
また、東京大学、東京科学大学や一橋大学とのアカデミア連携に加え、大企業やスタートアップ・官・学連携によるオープンイノベーションプラットフォーム「TMIP」も運営。丸の内エリアを中心としたイノベーションエコシステム構築により、社会に向けた新たな価値の創出を後押ししていきます。
三菱地所のスタートアップ・エコシステム
三菱地所は、変化を自ら生み出し、次の時代の豊かさにつながる価値創造の実現に向け、“ビジネストランスフォーメーション”を目指し、事業アセットやノウハウを活かした新事業創出とオープンイノベーションを推進しています。2022年4月に運営を開始した、“成長産業の共創”を目指すコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「BRICKS FUND TOKYO」では、「Co-Creating Impact. 変革を支え、未来の礎を共に築く。」をコンセプトに、3つのテーマ「新たなライフスタイル」「既存産業のパラダイムシフト」「サステナビリティ」と12の注目領域を掲げ、有望なインパクト領域への投資を加速しています。出資先には、当社グループの経営基盤を活かした経営支援、丸の内エリア等での実証実験、事業共創などの社会実装支援を通じて企業価値向上に貢献し、成長企業の創出を目指しています。国内外のスタートアップやVCへの投資総額は、累計500億円(コミットメント分含む)に達する見込みです。社会課題の解決や産業構造の転換を担うスタートアップへの投資・事業支援を進め、オープンイノベーションを通じた価値創造を図っていきます。
インパクト投資による事業共創の事例
2025年2月、CVC出資先のVALT JAPAN株式会社との共創で、千代田区で唯一、かつ東京23区初のデジタル事業に特化した障がい者就労継続支援A型事業所、「デジタルイノベーションセンター丸の内 supported by 三菱地所」を開設。障がい者の新たな活躍モデルを丸の内エリアから全国に展開し、インクルーシブな社会の実現に向けた中心的役割を担っていきます。
三菱地所および三菱地所・サイモンは、空飛ぶクルマ(eVTOL)の社会実装に向けた取り組みとして、国交省の定める空飛ぶクルマのバーティポート整備指針を参考に整備した東日本初※のeVTOL離着陸場「御殿場プレミアム・アウトレット バーティポート」を竣工しました。
空飛ぶクルマの活用は、渋滞解消や災害時の活用、観光体験の価値向上等、幅広い展開が期待されています。ポートの施設には、空飛ぶクルマの離着陸面に加えて、トレーラーハウスを活用した旅客施設及び運航管理施設を備えるなど、将来的には周辺エリアにおける空飛ぶクルマを活用した運航サービスや遊覧のハブ機能を果たすことを目指しています。なお、2025年度秋以降に空飛ぶクルマ実機によるデモフライトを予定しております。
三菱地所はこれまでも、官民協議会への参画やヘリコプター遊覧事業、都心部での実証実験等を通じて、将来的な空飛ぶクルマの利活用を見据えた先進的な取り組みを推進してきました。今後もオフィスビルや商業施設、ホテル、空港等を起点としたサービス活用を視野に入れ、幅広いパートナーと連携しながら、持続可能で魅力あるまちづくりを目指していきます。
バーティポート
(©Designed by Mitsubishi Jisho Design)
トレーラーハウスを活用した旅客施設及び運航管理施設
(©Designed by Mitsubishi Jisho Design)